皮膚の歳時記

世田谷区の皮膚形成外科、千歳台きたのクリニックです。季節の変化と皮膚の健康の関係は切っても切り離せません。季節ごとの皮膚のお話をちょっとずつお伝えします。
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肝斑のレーザー治療?
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    今回は、「肝斑を治療できるレーザー」についてお話します。

    肝斑は「レーザーでは悪化する」のが常識でした。ところが、その常識を破るレーザーが登場したというのです。当初、私は関心がありませんでしたが、話題になっていたので調べてみました。

    このレーザーでは、1064nmの波長を用い、弱いパワーでごく短い時間に照射します。トップハットと言われる均一な光の出方も特徴とされています。

    このスペックを見て思ったこと:波長やパルス幅など個々の特徴は従来型レーザーと大きく変わっていません。マイナーチェンジが3つ重なると、革命が起きる?ちょっと、信じがたいような気がしました。

     

    でも、このレーザーの報告写真を見ると、けっこう改善しているようにみえましたので、肝斑をレーザーで治療できるというのは本当かもしれない、と思いました。

    ただ、患者さんからは、あまり変わらないという意見もあるようです。やめればすぐ元に戻るという意見もあります。最も深刻な副作用は、白抜けと色素増強の混合です。

    大阪の葛西形成外科院長、葛西健一郎先生は、他院でこのレーザーを受けたあとに色素増強や白ぬけの症状になった患者さんを多数経験され、「『肝斑がとれる』と宣伝するべきではない」と警告していらっしゃいます。葛西先生に許可を得て、副作用に関するブログへのリンクを貼らせていただきました。

     
    レーザートーニングの真実

     

    葛西先生が紹介されている例は、かなり衝撃的です。このような被害は、たまたま乱暴な治療をされた結果なのでしょうか、それともこのレーザーを使用する以上、どうしても避けられないことなのでしょうか?私は、十分な根拠があるわけではないのですが、肝斑をこのレーザーで治療することと、白斑ができることは表裏一体の現象の可能性が高いと考えています。

     

    肝斑用レーザーの副作用ば、いずれ解決され、より良い機種が生まれてくる可能性もゼロではありません。しかし、現時点では、あまり積極的に期待できるとは言えません。最大の問題は、副作用の原因が解明されていない点です。このレーザーの副作用は、どのような理由で、どんな状況で起こるのか、はっきりとした答えは出ていません。原因がわからない以上、解決の道は見えないのではないでしょうか。メラノサイトの機能異常やバリア機能低下が原因との推測もありますが、メラノサイト機能・バリア機能の低下は、肝斑の病態そのものですから、これに照射するから副作用がでるということは、この治療をしてはいけないと言っているようなものです。
     

    しかも、副作用の白抜けは元に戻らないケースがかなりあります。白抜けが起こる確率は、1%から13%と幅があります。少ないほうの1%と考えても、不可逆的な副作用が起こる確率としては高いと思います。

    | kitanohifukei | レーザー | 20:06 | - | - | - | -
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