皮膚の歳時記

世田谷区の皮膚形成外科、千歳台きたのクリニックです。季節の変化と皮膚の健康の関係は切っても切り離せません。季節ごとの皮膚のお話をちょっとずつお伝えします。
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大学受験について考える・・・その2
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     あたかも前回の私のブログに呼応してくださったかのように(!僭越ながら)310日に内田樹さんのブログでこのように書かれていたので、引用させていただく。

     

    『私が30年の教師生活の経験から言えることは、教育において、教師からの「働きかけ」と学ぶものが示す「成果」(もっと散文的に「入力」と「出力」と言ってもいい)の相関は「よくわからない」ということである。ある学生にとって「学びのトリガー」となったような働きかけが別の学生には何の感動も与えないということがある。こうすれば必ず学びが起動し、学生たちの知的ブレークスルーが始まる、というような「一般的な」教育技術というものは存在しない。残念ながら。

    人間は実に多様なきっかけによって心を開き、心を閉じ、学び始め、学ぶ気力を失い、成長を開始し、退行する。私たち教師が言えるのは、「経験的に比較的効果的な方法が存在する」ということだけである。その方法さえ教師ごとにみな違う。だから、教師たちが集合的に「正しい教え方」について合意形成するということは決して起こらない』

    同じ教師に同じ教科を同じ教室で学んでも、それによって震えるような感動を覚える生徒もいるし、何も感じない生徒もいる』

     

     つまり、ベストの教え方、などを求めるのは初めから間違っているということだろう。

     

     次女は我が家で初めての「文系」人間である。私は人を理系だの文系だのと2分類し、レッテルを貼ることに基本的に抵抗感を感じるのだが、どうも娘たちの姿を見ていると、人間には文系的傾向と理系的傾向があるのではないかと感じる。一番違いが出やすいのが数学だと思う。

     やばい、と思ったのは、小学校高学年の時。私が「虫食い算って面白いよ」というと、「どこが面白いの?わけわかんなくて大嫌い」という返事。たぶん、このころ、いやもっと前から、数字に興味がない性質ができていたのだろう。それでも、まずまずの成績を取っていたので、いずれ何とかなるさと、高をくくっていた。

    中学校3年ごろだった。高得点の定期考査とは対照的に、模試の数学で惨憺たる成績が続いた。どうして模試だとダメなのか、不思議に思って聞いたら「だって、前にやったところは覚えていられないんだもん」と言う。ここでようやく気付いた。彼女は「暗記型数学」をやっていたのだと。公式、問題、解答パターン、全部暗記してテストに臨むと言う。母はびっくりしてあっけにとられてしまった。テスト範囲が決まっている定期考査は万全だが、記憶はすぐ消えるので、模試は全滅ということらしい。
     その時から口を酸っぱくして「公式は覚えるな、その都度導くこと」「問題を覚えちゃいけない」と言ったが、「暗記したくてしてるんじゃないんだよ。やってると、自然に暗記しちゃうんだ。」との返事。暗記が大の苦手の母にはまったく理解できない娘。そして、成績はずるずると下がっていった。私にはこの事態を修正する手段がわからなかった。のみならず、「これは私と違う能力かもしれないので、いたずらにいじるべきではない」と思うこともあった。そうこうするうちに、定期考査のほうにも手が回らなくなり、ずるずると成績が下がっていった。

     

    内田樹先生の理論からすると、娘は、娘の個人的要因により、誰の数学授業を受けても理系数学をする運命ではなかったということになる。おそらく、もともと理系的傾向のある子は、同じ「暗記型数学」の授業を受けても、そこに法則を見つけ出して「少ない知識から導いてゆく数学」のパターンに落とし込んでしまうのだろう。文系の子は、無理に修正せず、得意な暗記力から攻める「暗記型数学」が正解、という考え方もある。

     私の勝手な考えだが、「
    数学と遊んで、楽しみたい、ワクワクしたい」、という発想では、暗記型にはならないのではないか。次女は、もともと「数学を楽しみたい」という意識が希薄である。親は、あんなに面白い数学を楽しむことができないことを、ものすごくもったいないと思っていた。

    当時の娘は、苦しそうだった。やってもやっても、時間とともに、暗記したはずの公式がずり落ちてゆく。むなしい戦いだった。

    | kitanohifukei | 子育て・教育 | 15:08 | - | - | - | -
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