皮膚の歳時記

世田谷区の皮膚形成外科、千歳台きたのクリニックです。季節の変化と皮膚の健康の関係は切っても切り離せません。季節ごとの皮膚のお話をちょっとずつお伝えします。
<< 4月からの変更点 | main | 夫婦一緒に働き始めて >>
御用学者
0
     原発問題では、いわゆる「原発御用学者」への批判もちらほらでてきている。
    今朝の東京新聞では、
    「真理の探究を捨て」「特定業種の利益追求にお墨付きを与えてきた」
    「危険性への学問的指摘は無視され」「主流派は危険を想定しようとしなかった」と、客観的であるべきはずの学者に対する厳しい批判が書かれていた。

    学者ではないが、技術者のインタビューでも「会議で危険を指摘したが無視された。自分は憤然と退職し、現在原発反対活動を行っている」という記事をいくつか読んだ。

    悲しいのは、これらのマイナーな慎重派の意見がメディアで大々的に紹介されるのは「事が起こってから」であるということである。我々は残念なことに、メディアを通してしか裏事情を知ることはできない。
    いや、もしかしたらこれらの人々は、これまでも本の出版やポスターでささやかに主張を続けていたのかもしれないのだが、事故が起こらない平穏な状況では、注目されることも少なかったのであろう。
    事故前にこの人たちの書いたものを読んだとしても、どれだけ現実味を持って心に響いたかはわからない。もしかしたら、この人たちの意見はノストラダムスの大予言程度に受け止められていたのかもしれない。

    もうひとつ、このような報道で感じることがある。
    上記のように、技術者の中にも、慎重派が確かに存在した(らしい)。しかし、彼らの多くは職場に残ることが出来なかった(しなかった?)。退職して、現場を離れてしまった。
    そのような人が現場に残ってくれていたならば、今回ももう少しスムーズな解決法があったのではないか?という感想である。

    日本と米国の研究室で10年ほど、下っ端として籍を置いていた私にも、何となく「学者の世界の空気」が理解できる。
    基本、「流れには逆らってはいけない」「イケイケムードの分野には乗るべし」という空気がある。
    その研究分野の存在自体に否定的な意見を言うこと自体、ありえない話である。
    「この研究に否定的ならば、あんたはどうしてここにいるのだ?」という論理がある。反対派には居場所がない。巨大な圧力の前には身を屈するか逃げるか、どちらかの選択をとるしかない。
    プラント開発プロジェクトの雰囲気も大方そんなものではないだろうか。
    推進にくぎを刺そうとした技術者が退職したのには、こんな背景があるのでは?と想像する。

    普通、日常の生活や経済活動では「想定外」ばかり考えているわけにはいかない。
    そんなことを「日常」で考えていると、すべての活動がストップする。
    コンサートや旅行に行けなくなったり、食べ物を買えなくなる。
    想定外に対する構えは、専門家の責任範囲である。
    医療という専門分野の専門家である自分にも、いましめとなることが多い。
    | kitanohifukei | あれこれ | 11:15 | - | - | - | -
         12
    3456789
    10111213141516
    17181920212223
    2425262728  
    << February 2019 >>

    このページの先頭へ