皮膚の歳時記

世田谷区の皮膚形成外科、千歳台きたのクリニックです。季節の変化と皮膚の健康の関係は切っても切り離せません。季節ごとの皮膚のお話をちょっとずつお伝えします。
肝斑のレーザー治療?
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    今回は、「肝斑を治療できるレーザー」についてお話します。

    肝斑は「レーザーでは悪化する」のが常識でした。ところが、その常識を破るレーザーが登場したというのです。当初、私は関心がありませんでしたが、話題になっていたので調べてみました。

    このレーザーでは、1064nmの波長を用い、弱いパワーでごく短い時間に照射します。トップハットと言われる均一な光の出方も特徴とされています。

    このスペックを見て思ったこと:波長やパルス幅など個々の特徴は従来型レーザーと大きく変わっていません。マイナーチェンジが3つ重なると、革命が起きる?ちょっと、信じがたいような気がしました。

     

    でも、このレーザーの報告写真を見ると、けっこう改善しているようにみえましたので、肝斑をレーザーで治療できるというのは本当かもしれない、と思いました。

    ただ、患者さんからは、あまり変わらないという意見もあるようです。やめればすぐ元に戻るという意見もあります。最も深刻な副作用は、白抜けと色素増強の混合です。

    大阪の葛西形成外科院長、葛西健一郎先生は、他院でこのレーザーを受けたあとに色素増強や白ぬけの症状になった患者さんを多数経験され、「『肝斑がとれる』と宣伝するべきではない」と警告していらっしゃいます。葛西先生に許可を得て、副作用に関するブログへのリンクを貼らせていただきました。

     
    レーザートーニングの真実

     

    葛西先生が紹介されている例は、かなり衝撃的です。このような被害は、たまたま乱暴な治療をされた結果なのでしょうか、それともこのレーザーを使用する以上、どうしても避けられないことなのでしょうか?私は、十分な根拠があるわけではないのですが、肝斑をこのレーザーで治療することと、白斑ができることは表裏一体の現象の可能性が高いと考えています。

     

    肝斑用レーザーの副作用ば、いずれ解決され、より良い機種が生まれてくる可能性もゼロではありません。しかし、現時点では、あまり積極的に期待できるとは言えません。最大の問題は、副作用の原因が解明されていない点です。このレーザーの副作用は、どのような理由で、どんな状況で起こるのか、はっきりとした答えは出ていません。原因がわからない以上、解決の道は見えないのではないでしょうか。メラノサイトの機能異常やバリア機能低下が原因との推測もありますが、メラノサイト機能・バリア機能の低下は、肝斑の病態そのものですから、これに照射するから副作用がでるということは、この治療をしてはいけないと言っているようなものです。
     

    しかも、副作用の白抜けは元に戻らないケースがかなりあります。白抜けが起こる確率は、1%から13%と幅があります。少ないほうの1%と考えても、不可逆的な副作用が起こる確率としては高いと思います。

    | kitanohifukei | レーザー | 20:06 | - | - | - | -
    診断は何であれ・・・
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      近年、治療方法に「エビデンス」があるかどうかを問われるようになりました。
      「エビデンス=証拠」、とは、その治療の効果を科学的に証明できる証拠です。
      新薬には、高いエビデンスレベルを求められるので、発売前に厳しい臨床試験が課されます。
      しかし、これは、あくまでも新しい薬の場合です。

      昔は薬を世に出すために、今ほど厳しい臨床試験は必要ありませんでした。
      いわゆる「古くからの薬」は、「エビデンスが不明(科学的証拠が薄弱)」なものもあります。
      しかし、「科学的に証明されていない」ことと「有効ではない」ことは、完全に一致するとはかぎりません。
      教科書や先輩から「この薬を使用するといいよ」と教育され、患者さんから長く支持されてきた薬を、そう簡単に否定するわけにはいかないとおもいます。

      古い薬に対しても、あらためて臨床試験を行って科学的に有効性を証明すればば済む話ですが、
      臨床試験には、莫大なコストと労力がかかります。
      コストに対してメリットが見込まれない場合、改めて臨床検査を行われることは滅多にありません。

      トラネキサム酸も、そのような伝統薬の一つでした。
      前掲「新しい皮膚科」という教科書には、「肝斑にはトラネキサム酸が『使用される』」と書かれており、
      「有効である」という書かれ方はしていません。
      さすが教科書です。エビデンスのレベルをきっちりと抑えています。
      トラネキサム酸は、「肝斑治療薬として慣習的に使用されているが、有効であるかどうかは本書には記さない」という意図が感じられます。

      ところが、最近、肝斑治療薬としてトラネキサム酸市販薬を販売する会社の支援を得、大学病院などの複数の施設において臨床試験が行われました。
      ホームページにも臨床試験の結果の一部が公開されています。
      また、この臨床試験の論文は、立派な医学雑誌に掲載されています。
      ようやくトラネキサム酸の肝斑への効果が科学的に証明されるようになった!と、ウェルカムな気持ちで論文を読みました。

      当然ながら、論文の結論は、「トラネキサム酸を内服した患者さんの肝斑は、色が薄くなった」というものでした。
      しかし、この臨床試験、実は「二重盲検法をした」、と書かれていないのです。
      二重盲検法とは、本物の薬と偽の薬を用意して、患者さんにも判定者にも、だれが本物の薬を内服したかをわからない状態にして試験を行う方法です。
      たとえば、「肥料に新成分Aを加えて大根を育てると、大根がおいしくなる」ということを証明するためには、
      成分Aが入っていない肥料で育てた場合と比較する必要があります。
      また、判定者に先入観が入らないよう、新成分Aが入った肥料で育った大根とそうでない大根をわからないようにして食べ比べをする必要があります。
      ところが、トラネキサム酸の臨床試験論文では、偽薬との比較が載っていません。なぜそうしなかったかの理由も書かれていません。
      「新成分Aで育てた大根はおいしいですねえ」という事実は間違いないでしょうが、それが肥料Aのせいかどうかは、結局わからずじまい、というのと同じです。

      「薬を内服したら、色が薄くなったのだから、それでいいじゃないか」と思われる方もいるかもしれません。
      しかし、肝斑は、季節的な影響でも薄くなりますし、皮膚を優しく扱うことでも薄くなります。
      そのような周辺環境の影響を排除しないと、薬の本当の効果は評価できません。

      さらに、論文の中には「シミがない正常な皮膚も明るい色になった」と書かれています。
      これの解釈は
      1)トラネキサム酸を内服すれば肝斑だけでなく、顔全体が色白になる。
      2)この臨床試験は、肝斑以外の色素も白くなる環境で行われた。
      の二通りあります。

      この結果は、先ほどの大根の例で言えば、「新成分Aが入った肥料を与えたら、大根だけでなく周りの雑草も元気に育った」という現象が起こっているのですが、それが新成分Aのせいかどうか、結論を出すためには、
      「新成分Aが入らない肥料」で育てた場合と比較する必要があります。

      結局、1)と2)どちらが正しいかは、二重盲検法を行わなければわかりません。

      せっかくトラネキサム酸の効果を科学的に証明するチャンスだったのに、
      エビデンスはうやむやになってしまいました。
      もったいない話です。

      前回まで、診断のダブルスタンダードについて記述してきましたが。
      「この薬が『肝斑に有効』」ということ自体、いまだ科学的に証明されていない、となると、
      診断が正しいかどうかを問題にすること自体あまり意味がないことになります。

      繰り返しますが、必ずしも「エビデンスを証明できていない」イコール「効かない」というわけではありません。
      「効くといわれている」と、「効くことが証明された」のニュアンスの差を感じていただきたいと思います。
       
      | kitanohifukei | レーザー | 11:50 | - | - | - | -
      肝斑におけるダブルスタンダード・内服薬について
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        「真の肝斑」はどのぐらい割合の人が持っているのでしょうか?
        まず、シミの治療の世界で、エキスパート中のエキスパートでいらっしゃるお二人の意見をご紹介します。
        帝京大学の渡辺晋一先生の論文では、「シミで来院された患者さんのうち、約5%」「10%は超えない」とあります。
        葛西形成外科の葛西健一郎先生も、「5%でしょうかねえ」とのこと。

        この割合は時代・地域などでも、異なるとは思います。
        当クリニックでも、正確な統計はありませんが、3-5%ぐらいの感触です。
        「真の肝斑」は、シミに悩む女性患者さんのうち、
        「大体5%」と考えてよいと思います。

        「前回、肝斑の診断にはダブルスタンダードがある」と書きました。
        今回、具体的な場面での「肝斑」の定義と誤解をご紹介します。
        前回使用した「二つの基準」の図です。
        ダブルスタンダード

        1.市販内服薬。
        「トラネキサム酸」を主成分として含む市販内服薬について、考えてみます。

        この市販薬が対象とする「肝斑」は、「レーザーでは悪化する」と言っているので、「真の肝斑」です。

        この市販薬の一つの問題点は、「市販薬」として店頭で売られていることです。
        市販薬を買うときは、購入者が自分自身で診断を行います。
        薬の効果も副作用も、購入された方の自己責任です。

        冒頭に書きましたように、「真の肝斑」の方は、シミの患者さんの約5%です。
        この薬を内服したいと思う方は、内服する前に、100人中5人の「真の肝斑」に相当するかどうかを、自分自身で診断する必要があります。

        前回前々回のブログで繰り返し述べていますように、
        「真の肝斑」を治療前に判定することは、
        レーザーの経験を十分に積んだ医師でないと、かなり難しいのが現状です。
        医療機関ですら、老人性色素斑などを肝斑と誤診しているケースがかなりあります。
        その高度な診断を、全くの素人である購入者に任せているのが、この市販薬です。

        さすがに、製薬会社のほうも、対象者の割合が少ないことを良く知っているのでしょう。ウェブサイトでは、
        ご自分のシミが肝斑かどうかを購入者に「自己診断」してもらうために、肝斑についての情報と診断方法を豊富に載せています。
        驚くほど豊富な情報量です。とても親切なホームページです

        ホームページでは「実は多い、肝斑」と言う表現があり、「アンケートではシミに悩む20〜59歳の約3人に1人が、肝斑と疑われるシミ」と書かれています。
        私は、ここにトリックがあるような気がしています。
        冒頭に書きましたように、肝斑の患者さんはせいぜい5%ぐらいですから、私の感覚では「多い」という気がしません。
        「3分の1(33%)」とは、ちょっと信じがたい数字です。
        20−59歳という年齢で補正をしても、6%程度です。

        「5%の真の肝斑」を、患者さんが自分で診断できるように、会社は一生懸命に情報提供しているのですが、
        やはり、自己診断には限界があり、33%すなわち、「真の肝斑」の5倍の方が自分を「肝斑」と診断しているのが現状ではないでしょうか。
        「多い」のは「肝斑」ではなく、「肝斑と疑われるシミ」のほうなのです。
        できれば、ダブルスタンダードの使い分けなどをせず、
        「実は多い、肝斑と疑われるシミ」と書いて、整合性を持たせて書いてほしかったと思います。

        とはいえ、市販薬とは、そもそも「ある程度、患者さんの自己判断に誤診があっても仕方ない、患者さんの利便性を優先するほうが、社会への貢献度が高い」、と考えられるが故に、店頭におかれています。
        ダブルスタンダードの存在自体は、この薬以外の市販薬でも同じこと、とも言えます。
        ただ、この薬に関して言えば、購入者の自己判断が当たる確率は、かなり低いように思われます。
        仮に、ある市販頭痛薬が、「頭痛」を訴える人の5人に1人しか効かない場合、その頭痛薬は生き残ってゆくことができるでしょうか?
        仮に、トラネキサム酸が「真の肝斑」のみに対して有効で、それ以外には無効ということならば、クレームが殺到しそうな気がします。
        しかし、世の中を見回すと、そういう事態は起こっていません。
        この薬を使用する方の多くは、ちゃんと効果を感じていらっしゃるのでしょう。

        これには3通りの理由が考えられます。
        1)ここまで書いて、こんなことを言うのも何ですが、実は肝斑(真の肝斑)の割合は、5%ではなく、33%であった可能性。
        2)この薬は真の肝斑以外に、「肝斑に見えるシミ」も有効である可能性。
        3)薬の有効性の評価の仕方に問題がある可能性。

        1)と2)は禅問答めいたところがあり、「肝斑の定義は何?」という根本的な問題に突き当たってしまいまいますので、ひとまずお預けに。
        3)の可能性を見てゆきたいと思います。



         
        | kitanohifukei | レーザー | 16:18 | - | - | - | -
        肝斑診断におけるダブルスタンダード
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          前回の続きです。

          冒頭に「学会でも問題になっている」と書きました。
          4月の学会では、
          本当の肝斑に対しては、レーザーを照射してはいけない」「肝斑用レーザーで肝斑が取れているという報告があるが、結局は誤診であり、本当は肝斑でなかったから取れていたのが現実でしょう」「本当の肝斑を診断できない未熟な医師が『肝斑用レーザー』を使用すると被害者が出る」「しかし、肝斑って、実際定義がはっきりしていないんですよね」あたりで合意に達し、シャンシャンと手打ちになったようなところがありました。
          エキスパートの先生方が「本当の肝斑にはレーザーを照射しない」というところで一致したのにほっとする一方で、

          「定義」がはっきりしないのに、「肝斑」について議論すること自体に、むなしさを感じる結末でもありました。

           

          肝斑の定義についていろいろ考え、私なりに出したのが次の結論。

          肝斑には「二重の定義」があること。

          「二重定義・ダブルスタンダードの存在を認識した上でないと」、論争が成り立たない。

          二重定義の存在を患者さんにも認識してもらうほうが良いということ。

           

          前回の、教科書にある記述をもう一度書きます。肝斑とは、

          「ゞ界明瞭な淡褐色の色素斑」「∨防瑤鮹羶瓦忘険β仂里暴亳宗廖岫L椶亮りには出ない」「30代以上の女性に好発する」「セ膤粟・ホルモンなどが原因と考えられている」「Ε譟璽供爾鮠伴佑垢襪函⊃Я任強くなるので、禁忌」「Д魯ぅ疋蹈ノン外用やトラネキサム酸内服も行われる」「病理学的に基底層中心にメラニン顆粒の増加を認める」(「あたらしい皮膚科」より)

           

          これらのうち、診断が容易なのが、 櫚

          診断が難しいのが、 櫚い豊Δ加わった場合です。

           

          現在、肝斑には 櫚い砲茲辰匿巴任気譴拡大解釈による肝斑と、 櫚ぁ椨Δ真の肝斑という二つの診断基準、すなわちダブルスタンダートが存在します。真の肝斑の診断は、経験を積んだ医師でないと難しいので、どうしても拡大解釈の肝斑が横行しがちになります。

          しかし、真の肝斑を基準とすれば、拡大解釈による肝斑のうち、おそらく半分以上は誤診です。
          「拡大解釈の肝斑」の中のうち、おそらく約9割は老人性色素斑・遅発性太田母斑・雀卵斑などです。これらのシミはレーザーで十分治療できるのです。
          「拡大解釈の肝斑」の基準で誤審されてしまった患者さんは、ちゃんとレーザーでシミが取れる機会を失うことになります
          ちなみに、「真の肝斑」のための治療法では、老人性色素斑・遅発性太田母斑・雀卵斑などのシミはとれません。
          (もっともらしく9割、と書きましたが、当院にて「他院で肝斑と診断されました」と言って来院される患者さんの約9割は、真の肝斑でないことを根拠に書いています。)
          「拡大解釈の肝斑」という言い方自体、誤診を認める言い方なので使用したくないのですが、現状では、ダブルスタンダードが存在する」こと自体を認識するほうが間違いが少ないのではないかと思います。

           


          ダブルスタンダード

           
          繰り返しますが、本来ならばこのようなダブルスタンダードは許されるものではありません。でも、現状はそうなっているので、ダブルスタンダードの存在を認識するほうが難を逃れることができます。

          ぜひ、このダブルスタンダードの存在を認識していただき、自分が「どちらの定義で肝斑」と診断され、「どちらの定義による肝斑治療」を行おうとしているかを理解した上で治療していただくほうが良いと思います。

          これを間違うと、治療目的を達成できない場合や、かえって悪い症状になる場合があります。
           

          ちなみに、当院では「真の肝斑」以外を肝斑と呼びません。

           

          次回は、二つの定義が存在することによる混乱と危険性をもう少し具体的にお伝えします。

          | kitanohifukei | レーザー | 15:13 | - | - | - | -
          さまよう肝斑
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            今年もそろそろ、「シミ治療」の季節です。

            真夏でもシミ治療は十分可能ですが、やはり気分的には、涼しくなってから、でしょうか。

            今回、何かと話題の「肝斑」について、私の見方をお伝えしたいと思います。

             

            実は、ここ2、3年ぐらい「肝斑」の診断と治療に関して、専門家と一般の人々を巻き込んだ混乱があり、学会でも議論が沸騰していました。

            これに対して、今年4月の学会で一応、コンセンサスに到達したかのように見えます。

            しかし、公式な「声明文」みたいなものがあるわけではなく、

            肝斑をどう考えてゆくかは、いまだ個々の医師に任されています。

             

            現在多くの医師の教科書として使用される「あたらしい皮膚科」では、肝斑について以下の記載があります。「ゞ界明瞭な淡褐色の色素斑」「∨防瑤鮹羶瓦忘険β仂里暴亳宗廖岫L椶亮りには出ない」「30代以上の女性に好発する」「セ膤粟・ホルモンなどが原因と考えられている」「Ε譟璽供爾鮠伴佑垢襪函⊃Я任強くなるので、禁忌」「Д魯ぅ疋蹈ノン外用やトラネキサム酸内服も行われる」「病理学的に基底層中心にメラニン顆粒の増加を認める」(「あたらしい皮膚科」より)

             

            大多数の医師が上の記載およびそれに近い知識によって肝斑を診断・治療しています。しかし、実際の診療ではいくつかの問題があります。

             

            1)医師は通常、 櫚い鬚發箸亡擬圓気鵑離轡澆鮨巴任靴泙后

            2)しかし、 櫚い砲△討呂泙襯轡澆蓮肝斑以外にもたくさんあります。

            3)つまり、 櫚い砲△討呂泙襪犯獣任気譴織轡澆涼罎砲蓮肝斑以外のシミ(したがって、レーザーで取れるシミ)が含まれている場合が少なからずあります。

            4)結局 櫚い砲△討呂泙覺糧辰里Δ繊↓Α屮譟璽供爾篭愆」であるシミが「真の肝斑」となります。

             

            医学の教科書では、通常「定義により診断し」「診断のもとに治療法を羅列する」という順番で書かれますが、肝斑の場合は「レーザーを照射すると悪化する」という治療論が定義の一部になっています。これでは、極端に言えば「レーザーを照射して肝斑かどうかを見分ける」ことになりかねません。

             

            レーザー治療当事者からすれば、「治療して初めてわかる診断」はナンセンスです。なんとしてでも、「レーザーで治るシミ」と「レーザーを照射してはいけないシミ」を「治療前に」見分ける必要があります。治療前にはっきり見分けることは、われわれレーザーを真剣に扱っている医師にとっては当然のことです。ただし、これは、相当専門的な知識と経験を要し、労力を必要とします。レーザー治療を真剣にやっている医師以外の診断が甘くなることは十分理解できます。

            結局、このような「診断力の差」が、混乱のもとを作っています。

             

            さらに、ここで事情を難しくしているのが「肝斑を取れるレーザー」と「肝斑はレーザーで悪化する・肝斑には内服治療で」と主張する市販薬が登場したことです。

            二つの方法の言っていることが真逆であることは、どなたにもすぐお分かりかと思います。

            これについては次回、私の考えをお伝えします。

            | kitanohifukei | レーザー | 10:40 | - | - | - | -
            レーザー閑話:その4
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               前回まで、エルビウムヤグレーザーを讃える内容を書きすぎたような気がしますので、
              今回は炭酸ガスレーザーを擁護する内容を書きます。

              私のクリニックでは、エルビウムヤグレーザーが主役になったとはいえ、まだまだ炭酸ガスレーザーの出番はあります。
              炭酸ガスレーザーの利点を挙げてゆきましょう。

              1)ビームが細い。
              2)熱伝導が問題にならない組織ならばOK

              前回までに見てきたように、炭酸ガスレーザーは、周囲にどうしても熱を伝えてしまいますので、熱がまわりの皮膚に伝わりづらい組織なら、熱伝導の問題は生じません。
              また、ビームの細さは、最低で0.2个函▲┘襯咼Ε爛筌哀譟璽供爾1个5分の1ですから、ものすごく小さな対象を治療する場合には有利です。

              この点、首のアクロコルドン(首のイボ)は、皮膚から突出した小さい構造物です。熱の大半は空気中に放散し、皮膚に伝わりにくいので、炭酸ガスレーザーでも大丈夫です。また、ものすごく小さいイボに対しては、ビームが細い炭酸ガスレーザーの特徴を生かすことができます。

              さらに、メスのように「切り取る」目的で使用するためには、ビームが細く、止血作用がある炭酸ガスレーザーが有利です。

              3)止血作用がある。
              照射部位にタンパク変性を起こすことは、組織を壊死させることではありますが、止血させることでもあります。止血が必要な治療には、積極的に炭酸ガスレーザーを使用します。

              4)水分が多い組織では、スムーズな蒸散となる。
              炭酸ガスレーザーは、水分の少ない組織では焦げやすく、多い組織では、純粋な「蒸散」に近づきます。
              脂肪線維腫のような水が多い組織ならば、炭酸ガスレーザーでも理想的な蒸散に近い治療になります。

              逆に、組織内深くまで蒸散させなければいけない対象物、たとえば、ほくろや汗管腫、脂腺増殖症などでは、周囲の皮膚に熱が伝わりづらいエルビウムヤグレーザーが圧倒的に有利です。

              こんなかんじで、エルビウムヤグにこだわっているわけではなく、時と場合により、使い分けています。
              | kitanohifukei | レーザー | 20:00 | - | - | - | -
              レーザー閑話:その3
              0

                 卵をうっかり電子レンジにかけて、粉々に爆発させた経験はお持ちではないでしょうか。
                エルビウムヤグレーザーの反応は、この現象によく似ています。
                電子レンジは水分子を選択的に振動させます。水が急に蒸発することにより、水を包んでいた組織の中では急激な膨張が起こり、卵は爆発します。卵のタンパク質は固形の粉となって飛び散ります。

                エルビウムヤグレーザーで起こる「蒸散」も、「電子レンジの爆発卵」と同じく、「水の急激な蒸発による爆発」です。ただし、卵のような大爆発ではなく、せいぜい直径1-3ミリの小爆発です。

                さて、同じエネルギー量の炭酸ガスレーザーとエルビウムヤグレーザーを照射してみます。
                照射する対象は、前回と同様、水分を豊富に含む組織です。

                エルビウムヤグを照射すると、エネルギーが小さいボリュームに凝縮されますから、1パルスで水分子はごく短時間に蒸発し、「爆発」を起こします。タンパクは粉々になり、吸引器へ吸い込まれます。これが、「蒸散」です。
                この時の温度は100℃を超えません。
                これに対して、炭酸ガスレーザーを照射されると、エネルギーがより大きい組織に分散吸収されます。このため、温度上昇は非常に緩やかで、一回のパルスででは100℃の蒸発温度に達しません。

                炭酸ガスレーザーでは、2パルス、3パルスと、パルスを重ねるごとに徐々に温度が上がり、10ショット終了したところで100℃に達するので、「蒸散」が起こるはずです。

                2パルスまで

                 


                それならば、10回照射すれば両方とも同じ結果になるような気もします。
                しかし、10回照射するために費やした時間はそこそこ長く、
                その間に、照射部位に蓄えられた熱エネルギーは、周囲の組織へ逃げて行ってしまいます。

                その結果、照射された部位の温度はそれほど上がりません。100℃にならない部分も出てくるでしょう。ついでに、周囲の組織も、ゆっくりと温度が上がります。
                短時間で目的部位が100℃に達するエルビウムヤグレーザーと異なり、
                炭酸ガスレーザーでは、広い範囲で60℃ー90℃ぐらいの温度がじりじりと続きます。
                この温度帯では、タンパク質が変性して固くなるとともに、水がゆっくり抜けてゆきます(水は100℃未満でも少しずつ蒸発します)。
                水が少しずつ失われるので、「急激な膨張」による「爆発」が起こりづらくなります。

                繰り返し照射するうちに、事実上、「水がなくなってしまう」部分ができます。すると、
                「水のない組織」へ照射するのと同じ現象が起こります。

                        溶き卵をフライパンで弱火にかけると、タンパクが固まるとともに、
                        ゆっくりと蒸発してカラカラの干物のような状態になります。
                        次に「焦げ」が始まります。
                        こんな状態を思い浮かべるとわかりやすいかもしれません。

                高野豆腐の実験に見られたように、「水分の少ない」組織に炭酸ガスレーザーを照射すると、100℃どころか300℃以上に温度が上昇し、燃焼と炭化を起こします。
                照射を受けた部位は、300℃で炭化・崩落するまで、組織内にとどまりますので、2次的なやけどの原因となります。

                しかも・・・「高野どうふ」と違い、生体では「生命である」ことを維持できる温度の上限が60℃ぐらいなので、60℃を超えてしまった組織は、「死ぬ(壊死する)」ことになります。

                ここでようやくつながりましたね。
                炭酸ガスレーザーを主語として話をつなぐと、

                炭酸ガスレーザーでは水の吸収が10分の1と弱い

                照射対象と周囲組織の温度がゆっくり上がる。

                タンパク質の変性と脱水が起こる。

                「水分量の少ない」部分ができる。

                レーザーー照射を続けると、蒸散されず、温度が300℃付近まで上昇する。

                焦げる

                炭酸ガスレーザーでは、
                蒸散されずに変性・壊死する残存組織も「レーザーによって失われる」組織です。
                したがって、目で見えるよりも多くの組織が「失われる」結果になります。

                炭酸ガスレーザーで「変性・脱水・壊死」をできるだけ回避するためには、葛西健一郎先生が述べられているように、「強いパワーで照射する」必要があります。これには非常に高度な技術が必要です。
                しかも、

                 


                このような繊細な芸術品を彫るとき、一刀のもとに目的の形に達することは不可能でしょう。
                実際は、少しずつ丁寧に削ってゆくしかありません。

                レーザーと彫刻品では、話が違いすぎるのは確かですが、
                ほくろなどを治療するときには、術者のイメージ通りの深さと形で削るために、時間をかけて微調整を行うことは必須なのではないでしょうか。
                「少しずつ丁寧に削る」。これは炭酸ガスレーザーでは許されなかった行為ですが、
                エルビウムヤグレーザーでは可能となりました。

                | kitanohifukei | レーザー | 21:50 | - | - | - | -
                レーザー閑話:その2
                0

                   さて、前回は、炭酸ガスレーザーとエルビウムヤグレーザーについて、次のことを述べました。

                  1)いずれも、水分がない組織では「燃焼・炭化」が起こり、組織温度は300℃に達する。
                  2)水分が豊富な組織では、エルビウムヤグレーザーでは、ほぼ100%「蒸散」が起こり、最高温度は100℃である。炭酸ガスレーザーでは、蒸散も起こるが、燃焼・炭化も部分的に起こるため、局所的に300℃に達する。

                  もちろん、「水分がない」組織と「水分が豊富」の中間ぐらいの組織、たとえば「水分がちょっとある」組織なんかでは、エルビウムヤグレーザーでも「炭化」は起こります。ですから、これは、「蒸散」と「燃焼」の割合の問題であり、エルビウムヤグレーザーのほうが、「蒸散」比率が高いと解釈するほうがより正確です。

                  ではなぜ、エルビウムヤグのほうが「蒸散」割合が大きく、炭酸ガスレーザーのほうが「炭化(焦げ)」割合が大きいのか。
                  この疑問について、インターネットなどで調べると、多くのサイトが以下のように説明しています

                  「エルビウムヤグレーザーは水への吸収が炭酸ガスレーザーの10倍なので、焦げないシャープな切れ味になる。」

                  ・・・・・・・

                  この説明で分かる人は素晴らしい!!
                  私はぜーんぜんわからなくて、頭を抱えてしまいました。
                  この文脈、

                  「水への吸収が10倍」→ブラックボックス→「焦げない」

                  ではないでしょうか。端折りすぎじゃないかなあ・・・

                  この問題はまず、「水への吸収とは何か」から考えなくてはいけません。
                  「10倍」なんて、具体的な数値が書いてあるからには、もととなる数式があります。

                  「ランベルト・ベールの法則」
                  という有名な数式なのですが、数式を書くと頭が痛くなる人もいるかもしれないので、できるだけ省きます。

                  「水への吸収が10倍」というのは「吸光係数が10倍」を言い換えたものです。
                  この法則から私たちが欲しい情報を抜き出すと、


                  「吸光係数」と「一定量のエネルギーが減衰するのに必要な距離」は反比例の関係になります。

                  なお、この部分については、以前ブログでご紹介した松尾先生にヒントをいただきました。

                  つまり、吸光係数が10倍だと、同じ量の光エネルギーが組織に吸収されるまでに光が進む距離は10分の1になります。
                  「水への吸収係数」で考えていますので、ここでの「組織」とは、相当水っぽい組織を考えています。
                  99%水分のクラゲやこんにゃく、
                  80%水分の「高野豆腐モデル」
                  あるいは、70%水分の皮膚など。

                  エルビウムヤグレーザーでは、同じ量の光エネルギーが、炭酸ガスレーザーの10分の1のボリュームの組織で吸収されます。
                  吸収された光エネルギーは、すぐに熱エネルギーに転換されます。
                  つまり・・・

                  エルビウムヤグレーザーでは、小さい組織の中に高いエネルギーが凝縮されますので、急激に温度が上昇します。

                  *********************************

                  これで「炭酸ガスレーザーでは焦げるけれど、エルビウムヤグでは焦げない」につながりましたか?
                  まだつながらないですよね。
                  「え?炭酸ガスレーザーのほうが温度が上がるんじゃなかったっけ?」みたいな疑問も出てくるかもしれません。
                  もうひとひねり、必要です。

                  | kitanohifukei | レーザー | 22:50 | - | - | - | -
                  レーザー閑話:その1
                  0

                    エルビウムヤグレーザーを導入してから2年。当院では、炭酸ガスレーザーの出番がめっきり減り、代わりにエルビウムヤグレーザーが頻繁に登場します。
                    なぜ、エルビウムヤグレーザーでは、炭酸ガスレーザーに比べて周囲への熱ダメージが少ないのか、いろいろ調べてもあまり納得のゆく答えが得られなかったので、ひとつ、実験をしてみました。

                    使用したのは、「旭松の高野豆腐」。
                    「高野豆腐」を選んだ理由は、これが生体と同様、ほぼタンパク質でできていることと、乾物の状態では「水なし」の反応を、水を含ませると「水あり」の反応を見ることができるためです。
                    また、「水あり」では、水分の割合が80%と、人間の皮膚にかなり近い水分量になるのも、モデルとしては魅力的です。

                    kouya

                    ・・・乾いた状態と水を含んだ状態ではかなり反応が違うことがわかります。

                    一般的に、「蒸散系レーザー」は、「水に反応する・水を吸収する」点のみが強調されます。でも、実際は「水がない状態でのタンパク質」への反応を考慮せずに、レーザーの性質を語ることはできません。
                    しかも、上の写真で分かるように、水があるときとないときでは、その反応が全く異なるのです。

                    水がない時の反応は「燃焼・炭化」です。炭化すると、組織は崩壊しますので、それ以上温度は上がりません。したがって、「水がないときには、炭化温度、すなわち300℃ぐらいの熱が出る」といえます。これは、炭酸ガスレーザーにもエルビウムヤグレーザーにも言えることです。

                    これに対して、下の「水あり」の実験。
                    エルビウムヤグレーザーを照射すると、炭化が起こらないのに組織が消えています。
                    これが正真正銘の「蒸散」反応です。すなわち、水を瞬間的に蒸発させるときの爆発力で組織が粉々に破壊されているのです。
                    水の蒸発温度は100℃ですから、温度は100℃より上がりません。

                    一方、水ありの組織に炭酸ガスレーザーを照射すると、蒸散だけではなく、部分的に炭化も起こっています。したがって、部分的には300℃ぐらいに達しているのでしょう。

                    このように、「燃焼」と「蒸散」の割合が、レーザー治療のクオリティを決定します。
                    一般に炭酸ガスレーザーはエルビウムヤグレーザーに比べて「燃焼・炭化」の割合が大きいのですが、組織の水分量によっても大きく左右されます。

                    人間の皮ふは70%水分であるといわれていますので、スムーズな「蒸散」を期待できるような気がします。
                    しかし、治療の対象は「正常な皮膚」ではなく、「腫瘍」という異常な構造物です。腫瘍の種類によっては水分量が少ないこともあります。ですから、「炭酸ガスレーザーの臨床的反応は『蒸散』である」というのが成り立たない場面も多々あるのです。

                    というわけで、「エルビウムヤグレーザーが炭酸ガスレーザーに比べて組織損傷が少ない理由」:
                    炭酸ガスレーザーは、水分豊富な組織あっても300℃付近まで温度が上がるのに対して、エルビウムヤグレーザーは100℃より上がらない。
                    これが大きな理由となっているのではないでしょうか。

                    では、なぜエルビウムヤグレーザーではスムーズな「蒸散」がおこるのか?(NHKみたいですね)
                    それは、後日また、ブログでお話したいと思います。

                    ************************************

                    ところで、炭酸ガスレーザーを照射された組織の温度については、異論があります。
                    首をかしげてしまうのが、あるレーザー会社のサイトでの説明です。

                    「炭酸ガスレーザーでは1500℃に達して、組織が『気化する』。これを『蒸散』という」と書かれています。
                    この件は、以前「コピペのサイエンス」という題名で書いたようないきさつがあり、会社のほうは間違いを認めたのですが、その後もHP上の記載を変えていないようです。
                    http://saijiki.kitanohifukeisei.com/?day=20100718
                    1500℃の根拠を会社の人も示すことができないので、なぜ1500℃なのか、いまだ持ってわかりません。
                    別のレーザー会社の技術者に意見を求めたところ、「1500℃はあり得ない」とのことでした。

                    また、もう一つの異論は、ある皮膚科の教科書。
                    「炭酸ガスレーザーでは温度は100℃以上に上がらない」と書かれています。
                    これは、1500℃よりは誠実な記載だと思いますが、100℃では炭化は起こりません。
                    「純粋な蒸散反応では100℃以上に上がらない」という文ならば納得できます。
                    現実には、炭酸ガスレーザーの「蒸散」が不完全なため、100℃を超えて300℃ぐらいまで達してしまっているのではないでしょうか。

                    さて、炭酸ガスレーザーにおける到達温度は、100℃?、300℃?、1500℃?
                    私はやはり、炭化が起こる状況においては、300℃付近ではないかと思っています。

                    こういう遊びは一見診療と関係なさそうに見えますが、
                    どういう組織にどのレーザーを、どのぐらいの強さで照射するかを決定するヒントになります。
                    ちなみに、高野豆腐はその夜のおかずとしておいしくいただきました。
                    | kitanohifukei | レーザー | 22:47 | - | - | - | -
                    脱毛レーザーは長波長の時代へ
                    0

                      私が脱毛レーザーを扱い始めてから10年近くになります。
                      この間、世の中の脱毛レーザーのトレンドは、徐々に変わってきました。

                      脱毛レーザーの主要な要素は、まず第一に波長、二番目目にパルスが出る長さ。
                      脱毛の性能は、この二つで決まります。

                      1990年代、脱毛レーザーの主流は、波長が短めのアレキサンドイトレーザー(755nm)とダイオードレーザー(800nm)でした。
                      脱毛レーザー界では、この2波長の機種の寡占状態だったため、「脱毛レーザーといえば800nm付近」が当時の常識でした。

                      2000年に入ってから、Nd:YAG (1064nm)の長波長レーザーが登場しました。
                      実は、先行する2機種(とくに755nm)は、「色黒の人の脱毛」「ひげの脱毛」には不向きでした。
                      そこで、そのような要望に応えるべく登場したのが、1064nmなどの長波長レーザー。
                      長波長レーザーは、発売当初、先行する短波長レーザーの補助的存在でした。

                      しかし、どうやら「補助的」どころか、主役レーザーとしてふさわしいことが徐々にわかってきました。
                      私が4年前から使用していた脱毛レーザーは810nmの短波長レーザーでしたが、
                      最近使い始めたメディオスターmiXTは、940nmと810nmが3:1でブレンドされているダイオードレーザーです。
                      940の比重が大きいので、「長波長」に属するレーザーです。
                      長年810nmを使用した後、940+810を使用したところ、長波長の威力に魅せられてしまいました。
                      「長波長」ですので、色黒の方の脱毛とひげ脱毛に素晴らしい威力を発揮してくれます。
                      同時に、ワキ脱毛やひざ下脱毛も、皮膚の発赤が少なく、難なくこなしてくれるのです。
                      細い毛に対しても、短波長よりも安全に脱毛できます。
                      かつて「脱毛の主役は800nm」と考えていたのは、思い込みだったようです。

                      短波長は「毛幹が熱くなりやすいけれども、深くまで届きづらい」「皮膚も同時に熱くなりやすい」
                      長波長は「毛幹が熱くなりにくいけれども、深くまで届く」「皮膚は熱くなりにくい」
                      という特性を持っています。

                      940nm+810nmのブレンドレーザーは、長短レーザーの長所を取り入れた、バランスの良いレーザーといえます。

                      脱毛レーザーは、光の性質と生体反応のメカニズムから見ると、ものすごく複雑で面白いレーザーです。
                      他のレーザー、たとえば、炭酸ガスレーザーでは、生体側の要素として考慮するのはせいぜい「水」と「タンパク質」ぐらいですが、
                      脱毛レーザーでは「表皮メラニン」「毛幹メラニン」「毛幹の太さ」「毛幹の深さ」「幹細胞のロケーション」「水分」「毛の角度」「皮膚温度」など、多数の要素を考慮する必要があります。
                      これらの多くの変数を組み合わせた方程式の「解」が波長であり、パルスの長さです。
                      脱毛レーザーを扱うことは、複雑な方程式を解くのと同じような魅力があるのではないでしょうか?

                      | kitanohifukei | レーザー | 23:22 | - | - | - | -
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